amp japanBeliever
あなたは”魔法のアイテム”を持っていますか?
その力を認め、信じるならば 恐怖に怯える世界にあっても、心に平安をもたらせるもの・・・ そんな魔法のアイテムを・・・。
世界中に数多くある遺跡から、装身具が全くでない遺跡というのはない。装身具、すなわちアクセサリーは人類にとって最古の道具のひとつである。
もっとも原始的なものでは、動植物そのもの・・例えば、貝や動物の牙・爪・羽根などを用い、そうしたものですらない場合は、入れ墨や歯の一部を欠いたりして、他人との差別化を図った。
しかし、人類学者も考古学者も美術史家も、なぜ、人は装身具で身を飾るのかについての確たる意見は存在しない。
だが、原始社会に棲む有形無形の危険に対しての”魔法のアイテム”として生れたことは、古い装身具のなかに強い動物~熊や獅子などの爪や牙を使ったものが多い事が裏付ける。
そうした動物の一部を身につける事で動物の持つ強い力が乗り移ると考え、恐怖や脅威に怯える世界にあって、心に平安をもたらしていたのであろう。この心の平安は、どんな時代でも魔法のアイテムを身に付けた人の免疫システムに大きな後押しとなっている。
科学と情報の時代である現代。健康維持の方法はしばしば対処療法的なものである。それが最大の敵である不安と緊張(ストレス)で私たちを悩ませる。今日、科学は実験動物を数限りなく犠牲にしても、癌の治療法を発見出来ないでいることを我々は明らかに知っている。この知識の為に我々は不安になり、免疫システムを抑制し、癌にかかりやすくなってしまう。
どんなに科学が進歩しても、誰かが特殊な水晶を持っていれば癌にかからないと信じているのであれば、そうなるであろう。 それは神秘的な心霊の力や石が発する磁場によるものではなく、人間の脳が石のお守りとしての意義を認識し、 その事を考えるときにより安心していられるからであり、そうして安心していられるという事で、 水晶を身に付けた者の身体は緊張(ストレス)せずにいるだろう。 我々にとって単なるつまらない小さな水晶が、 免疫システムの効果を増大させ、癌に対する本物の防御の助けとなるのである。
いかに社会学者が『呪術から開放されたのが近代』だと叫ぼうが、 魔法のアイテムは生き残り、人々の魂を潤し、見守り続けている。 表面的には人が魔法を信じなくなった現在でも、どこかでその幸運の力を放っているのである。
装身具(アクセサリー)の起源を求め、探求していくにつれ、 最古の道具のひとつである”身に付ける魔法のアイテム”=装身具に対する 人々の祈りと願いと思いがどれほど深いものであったか、 そして、魔法の力の生命力に驚かされる。
魔法の持つ潤いや、不思議に満ちた世界への感受性がよみがえる・・・ そんなものを目指し創作した作品群である。